「どーした?まだ顔赤くねぇ?」
ピトッ
神楽さんの手があたしの頬に触れた瞬間、ブワッと身体中が熱を放つ。
「やっ、ち、違っ……」
知ってる。
神楽さんは、まだちゃんとヒートが治ってないんじゃないかって心配してるだけってことくらい。
だから……変に意識しないで……。
ドキドキしないで……。
そのとき、あたしは気づかなかったんだ。
フェロモンが出ていることに。
そして、
……────その匂いに神楽さんが反応してしまったことに。
「羽瑠ちゃーーん!!!」
ドドドドッッと、廊下を走る音が聞こえたのと名前を呼ばれたのはほぼ同時。
勢いよく抱きついてきた衣吹さんに、バランスを崩して倒れそうになったあたしを神楽さんが支えてくれた。
ドキッ
「お嬢。羽瑠は病み上がりなんですからもう少し手加減を……」
「わ、わかってるよ」


