悪魔と涙と甘い恋。


コトッと、あたしの前に水の入ったコップを置く神楽さんに小さく頭を下げた。


「あの夫婦、吉野(よしの)って言うんだけど、ばーさんの方はΩなんだ」

「えっ……!」


って言うことは……おじいちゃんはα!?


わぁ……!

もしかして“運命の(つがい)”ってやつかな!?

すごいっ……!!


憧れのキーワードにドキドキと胸が躍る。



「し、知り合いなんですか?」

「知り合いって言うか、昔からここ来てるからいろいろ知ってるだけ」

「なんじゃ。寂しいこと言うなぁ」


おじいちゃんがお盆を持ってやって来た。


「毎週来てくれとるじゃろ」

「毎週は来てねぇよ。2週間に1回くらい」

「あんまり変わらん」


あたしの前に、おにぎりが乗っているお皿とお味噌汁が置かれた。


わぁ……。

まだホカホカと温かそうな真っ白いおにぎり。

その上にはたらことしゃけが乗ってて……。