悪魔と涙と甘い恋。


「ここ」


えっ……?

古風溢れる民家は、小さい頃に遊びに行ったおばあちゃん家そっくりで。

とてもじゃないけどご飯を食べるところには見えない。


だけど神楽さんが車から降りるから、あたしも続くように車から降りる。


ガラガラと重たそうな引き戸を開けた神楽さん。

中から「いらっしゃいませ〜」と言う声が聞こえて、ここが食べるところなんだと改めて実感する。



「あら〜、今日はえらい可愛い子が一緒じゃないの」


厨房から出てきたのはエプロンをした白髪のおばあちゃん。

その隣から顔を覗かせる坊主気味のおじいちゃん。


「これか?」


そう言って小指を立てるおじいちゃんに、あたしは首を傾げた。

何だろ……それ?



「違う。この子のボディガードやってるだけだから。あとそれ古い」


小指の意味がわからないままだったけど、あたしのことを紹介されたのかと思って頭をぺこりと下げた。