悪魔と涙と甘い恋。


「ちょっとづつで良いから外出ような?」


ハンドルを切りながら神楽さんはそう口にした。


「ずっとこもりっきりは気持ちまで腐るから。まぁ最初は庭とかでも良い。怖かったら一緒に出てやるよ」


庭……かぁ……。

誰かに出会わないかな……。



なんて考えてハッとする。


……どうしても後ろ向きになっちゃう。



ぼんやりと窓の外を眺めて、移りゆく景色を追っていく。

まともに見るのいつ振りだろう。


あの頃は“あの人はαなんじゃないか”って“フェロモン出てないかな”って周りの目ばっかり気にしてて。

この街のこと全然見てなかったな……。



「もうすぐ着く。嫌だったり怖くなったらすぐ言えよ」

「うん……」






   ♢♦︎♢♦︎♢


全部のゴミ袋を運んで、車に向かって歩いてるところ。