「違う……?」
「羽瑠にはもう俺がいる。これでも一応耐性付いてるから。何かある前に守るし無理やり手出さねぇよ」
そうだった……。
神楽さん、あたしがヒートになったとき……自分の手を刺してまで……耐えてくれてたんだ……。
ただただ、αの本能のままΩを求めるのだったら……そんなことしない。
「ご、ごめんな……さい……」
「わかればいい」
また、神楽さんがあたしの頭に触れた。
今度は優しい手付きで撫でてくれて……ちょっぴり胸が熱くなった。
「まぁでも、無理にとは言わねぇ。どーする?」
「……行きます」
「ん。りょーかい」
車に乗り込んで、エンジンをつける神楽さん。
その隣にあたしは座って。
シートベルトを付けると、待っていたかのように車が走り出す。


