「抑制剤は?」
「あ、あります……」
この間、組長と衣吹さんに連れられて新しく処方してもらったのがある。
常に常備してて……今だって制服のスカートに忍ばせてある。
「なら大丈夫だろ」
「えっ……で、でも、ヒートが来たらっ……」
「その為に俺がいるんだろ」
えぇ……!?
「か、神楽さんは……α……なんですよ、ね?」
「ああ」
じゃあ……もしかしなくても、もしかするかもしれない……!
神楽さんにその気がなくても……。
───Ωのヒートに耐えられるαはいない。
だからあたしは……αが、男の人が……嫌い。
俯くと乱暴気味な足音が聞こえて、神楽さんがあたしの前で止まった。
「初めっから“自分は襲われる”とか考えんな」
キュッと口を紡ぐ。
「今までがそうで怖ぇのはわかるけど違うだろ?」


