悪魔と涙と甘い恋。


「何?」


急にスンと真顔になって仕事モードに入る神楽さん。

その横顔を盗み見ようとしたのに、早々と部屋から出て行くからほんの少ししか見れなかった。


完全にあたしの視界から姿を消す寸前に、入れ違いで衣吹さんが入ってくる。


この部屋に入って来る前にはもう、目は合っていた。



青ざめた衣吹さんの顔と。



「羽瑠ちゃんどうしたの!?」

「あ、あはは……」


あたしが座ってる所まで走って来た衣吹さんに、思わず苦笑いを溢した。


本当に心配してる様子で。眉毛がすごく下がっている。


そんな衣吹さんに一通り説明し終えると、机にベターと倒れ込んだ。



「また羽瑠ちゃんに何かあったのかと思ったじゃん。いや、あったけど」


不機嫌そうな顔だけがこっちを向く。


「ほっぺ痛い?」