ずっと握ってくれる神楽さんの手も温かくて。


あたしは、1人じゃないんだよって言ってるみたいで……涙が止まらなかったんだ。



恥ずかしいくらいたくさん泣いて、落ち着く頃には羞恥心でいっぱいになる。


それを誤魔化すように、とあることを口にした。


「神楽さんと同じこと、言うんですね……?」

「同じこと?」

「こら。羽瑠、」


コツンとあたしの頭を優しく叩く神楽さんは、ほんのちょっぴり照れ臭かったのかムッとした表情をしてて。

胸がキュンと音を立てた。




『弱かったら誰も守れねぇから』


あの時、神楽さんがあたしに教えてくれた言葉で。

それがすごく心に響いて、強くなろうと思った日でもある。




「何もないですよ」

「えー教えてよ〜」

「自分も気になります!」

「うるせぇよ」


そんなやり取りに笑いが出て。


幸せってこういうことを言うんだろうなぁって思ったんだ。