悪魔と涙と甘い恋。


どこにいたってあたしのことを見つけてくれる。

探してくれる。



神楽さんはいつもあたしのピンチに現れてくれるヒーローだよ……。




「先に家の息子に手を出したのはその女よ!血だらけになって帰ってきたのに何も喋らないで……ただ一つ“羽瑠のせい”って」

「詳しく話せない恐怖がそこにあったんじゃないの?」



「羽瑠」と、優しい声で神楽さんに呼ばれた。


「真っ直ぐ前を向いて、姐さんの見る景色を一緒に見ろ。怖いものを怖いままにするな」


睦美さんの景色……。

神楽さんの顔を見れば小さく頷いて。


あたしの手をギュッと握りしめてくれた。



お義母さんと違って冷静沈黙な睦美さん。

相手を見る眼差しは力強く、真正面からぶつかっていこうとする凛した姿に……かっこいいと思った。



「羽瑠ちゃんはあなたの息子に無理やりやられたの。身体も心もボロボロになって……どう落とし前つけてくれるの!?」

「なっ……そっちこそそこのスーツの人が家の息子に手を出したんじゃないの!?」