悪魔と涙と甘い恋。


バチンッと頬を叩かれたのと、相手を認識したのはほぼ同時。


あたしは地面に倒れ込んだ。



震えが止まらない。

上手く呼吸ができない。


視界が……どんどん真っ暗になる。


目の前にいるお義母さんに、身体が恐怖に支配される。



「なんて事してくれたの!!」


ものすごい権幕になったお義母さんが、顔を真っ赤にして怒鳴り声を上げた。



「佑輝がボロボロになって帰ってきた。聞けばアンタのせいだって」

「いっ……」


髪の毛を乱暴に掴まれ、頭に痛みが走る。


「捨てられた恨みを家の息子に当てないでちょうだい!」


ギリッ掴む力が強くなり、それを引っ張られれば、痛みから逃れる為に頭が付いて動く。


痛い痛い。


「や、ごめんなさいっ……」


怖くて怖くて涙が溢れる。



お義母さんに殴られてきた日々が鮮明に蘇ってくる。


震えが止まらなくなる。

佑輝くんと縁を切ってもう会うことはないと思ってたのに。


なのにどうしてこんな所で……。