「でも帰ってきたときはいつもの羽瑠ちゃんに戻ってたから安心した」
ニッコリ笑う睦美さんは、あたしを騙したくて嘘をついたんじゃないって顔をしていた。
良かったって、そんな顔。
あたし……知らない間に睦美さんに助けられてたんだ。
だったら、と。
膝の上で手の平をギュッと握った。
「あたし……神楽さんのこと……」
心臓がドキドキと騒ぎ出す。
言っていいのかなって、わからないことはいっぱいある。
だけど、あたしに手を伸ばしてくれるから……その手を握り返したい。
「……好きに……なっちゃったんです」
『悩み事?』って心配してくれる人を無碍にできない。
「男の人をこんなに好きになるの初めてで……どうしたらいいのかわからないんです」
ギュッと握りしめる手に力を入れた。


