悪魔と涙と甘い恋。


あたしには何のことだかさっぱり。

前を向き直して、何度目かの夜空を見上げる。


そしたら。


「羽瑠ちゃんは、好きな人……いる?」

「えっ……?」


真っ直ぐ前を向いたままの衣吹さんが小さい声で呟いた。


「羽瑠ちゃんは可愛いからいろんな人に好かれそうだなぁ」

「そ、そんなこと……あたしは衣吹さんの方が美人でかっこよくて……絶対モテると思う」


そう伝えれば、衣吹さんは口角を上げてニッコリ微笑んだ。


「ありがとう」


ほら。そうやって大人っぽく笑うところ。

そういうとこ、あたしは羨ましいって思ってる。




「あ、いたいた」


今度は後藤さんの声が聞こえて。

あたし達は一緒に振り返った。



「流れ星見れました?」


オフモードの後藤さんは完全に部屋着姿で。

なんならピアスも全部付けてなくて、一瞬誰だかわからなかった。