悪魔と涙と甘い恋。


「知ってるような口振りだね?」

「毎年見てますから」

「え!?マジ?」


驚いた声を出す衣吹さんと一緒になってあたしも目を見開く。


「仕事で出てることが多いので」

「あー……なるほど。てっきりそーいう系なのかと思った」


って言うことは神楽さんも?

仕事で出てて、昔偶然見た……とか?




「隣、良いですか?」

「うん。いいよ」


パーマがかかった茶色の髪の毛が、ふわふわと風に靡いた。


あ……。

みんなしてるのに千葉さんはピアスしてないんだ。


みんなしてるものだと思ってたから、ちょっと意外かも。



衣吹さんの隣に座り、姿が隠れたからあたしも前を向き直す。



「柊さんならもう少しで戻ると思いますよ」

「え、何で。呼ばないよ」

「最近お疲れのようですし、気分転換に呼ばれてみてはどうですか?」

「呼ばないって言ってるじゃん」