「冗談。羽瑠が寝たら俺も寝る」


優しい声色に安心したのか、眠気が一気に襲ってきて。

微睡む記憶の中、神楽さんによって満たされた身体に幸せを感じながら目を閉じた。



「おやすみ、羽瑠」


その言葉を最後にあたしは記憶を手放したんだ。



だから。


天を仰ぐように顔を上げて、大きなため息を漏らす神楽さんに全然気付かなかった。


「俺にとっての羽瑠、か……」