もう、いい。
疲れちゃった。
番が成立すると、他の人にはあたしの匂いがわからなくなるから……それも、いいかも……ね。
襲われる心配無いんだもん。
「……」
抵抗するのをやめて、諦めと共に目を閉じた。
その瞬間。
バァンッッ!!!
「!?」
爆発音のような破壊的な音が聞こえて、ここにいる全員がそっちを向いた。
そしてあり得ない光景を目の当たりにする。
「は……なん、は?」
多目的トイレのドアがすぐそばまで飛んできていた。
砂埃で視界はクリアではないけど、伸びてきた手によってあたしの身体が自由になる。
そのまま力なくペタンと座り込んだ。
「ウチのもんに手ぇ出してタダで済むと思ってんの?」
えっ……この声……。
徐々にクリアになる視界の中、神楽さんの姿が浮かび上がってくる。
隣には後藤さんがもう1人を抑え込んでいたんだ。


