あっと言う間に家の近くの十字路が見えてきた。
ここで別れなきゃ家がバレる。
「この辺でいいよ」
「あ……」
名残惜しそうに弟くんが声を漏らした。
だけど私は聞こえないフリをする。
「佑輝くんありがとう。バイバイ」
「お姉ちゃんっ!また会えない?」
弟くんが羽瑠ちゃんの手を掴んだ。
「あの時はもう会えないって諦めてたけど、今日会えたのは運命だと思うんだ。神様がくれた最後のチャンス絶対逃したくない」
「佑輝くん……」
「だからまた会いたい。お願い……」
ギュッと握った手を自分の胸に持ってくる弟くん。
その表情はとても切なそうだった。
「お義母さんにバレたら……」
「秘密にしてる。絶対に言わない」
「……」
「会えるんだったら例え10分でもいい」
「……」
困った顔をする羽瑠ちゃんに、私は口を開いた。


