天然なのか計算なのか。
羽瑠ちゃんは圧倒的に前者だと思うから憎めない。
……これは食べ終わった後に拭いた方が良さそうだね。
そう思って私は見ないフリをしたんだ。
♢♦︎♢♦︎♢
帰りの電車の中で、窓から差し込む夕日が車内をオレンジ色に染める。
「衣吹さん、今日はありがとう」
「どうしたの?急に改まって」
この雰囲気を笑い飛ばそうと、へへっと笑って見せる。
だけど羽瑠ちゃんのちょっぴり切なそうな表情に“違う”ってわかった。
「あたしね、誰かと学校帰りに遊びに行くの、憧れだったの。だけど、この体質だし居場所もなくて諦めてて……」
羽瑠ちゃんが悲しければ私も悲しくなる。
羽瑠ちゃんの気持ちは……痛いほどわかる。


