悪魔と涙と甘い恋。


いろいろ考えたけど話を聞くだけならって思って、マグカップを見つめたままあたしは口を開いた。



「神楽さんはどうしてそんなに強いんですか……?」


桜夜組のNo.2で、幹部のみんなからも尊敬されて。

きっと力の方も強くて、冷静沈着で瞬時に判断が出来る。



……あたしなんかとは大違い。


脳裏にお姉さんの顔がチラついて、マグカップを持つ指先に力を入れる。




「別に強かねぇよ」

「えっ……?」


思わず顔を上げた。

そしたら神楽さん、目の前にあるコップじゃなくて、何処か遠くの方を見ていたんだ。


「俺より強い奴なんかいくらでもいるし」


ここが静かだからなのか、雰囲気に飲まれただけなのか。

神楽さんの声色が優しく……だけど、どこか切なくも聞こえた。