悪魔と涙と甘い恋。


そしたら脳が勝手にあの時の記憶を蘇らせて。

抵抗するお姉さんの顔が頭から離れなくなる。




「羽瑠?起きてんの?」


不意に神楽さんの声が聞こえて、あたしは慌てて襖を開けた。

目の前にいたのはスーツ姿の神楽さん。



「お仕事、今終わったんですか?」

「うん、まぁ。それより眠れねぇの?」

「あ……えと、」


“やってしまった”と後悔する。

どこも暗いのに、あたしの部屋だけ明かりが漏れてるなんて起きているのがバレバレだ。



「ちょっと、考え事してて……」


へへっと、苦笑いを見せる。


「ホットミルク作ってやるから。来いよ」

「え?」

「ほら、電気消して」

「えっ?」


半強制的な物言いに、慌てて電気を消して居間に行く。


真っ暗な居間の電気を点ければ、「すぐ作ってくるから」と、あたし1人で待っているように促された。