悪魔と涙と甘い恋。


襲われていたのは、

……───あのお姉さん。



お姉さんが必死に抵抗するのを見て、頭が真っ白になっていく。



どうしよう……、どうしよう。

このままじゃお姉さんが……。



不意に男の人がこっちを向いて、あたしの存在に気付いた。


その瞬間、怖くて一歩下がろうとしたんだけど、足が上手く動かなくて。


躓いたあたしはそのまま尻もちをついてしまったんだ。






   ♢♦︎♢♦︎♢



シェードのカーテンを開けると、綺麗な月が浮かんでいた。

梅雨時期には珍しいくらい雲がかかっていない。



視線を自室に戻すと、自分で敷いた布団が綺麗なままの状態で。

思わずため息が出た。



全然……眠くなんないや……。



デジタル時計が表示しているのは12:42。



壁に寄りかかって、ぼんやりと、ただ何となく月を眺める。