悪魔と涙と甘い恋。


少し薄暗い、間接照明みたいな明かり。


ふと、あたし達の影が視界に入って、恥ずかしさから立ちあがろうとするけど。



あ、あれ?

力が入んない。



「どうした?」


そう声をかけたのは神楽さんがあたしの異変に気付いたから。

それ以外は何もないのに、耳元で聞こえる声に思わずドキッとして。


逃げ場がないあたしは俯いた。



「力……入んないです……」


恥ずかしくて情けなくて。

羞恥心でいっぱいのあたしの肩にトンッと神楽さんの頭が乗った。



ドキッ



っ!?


心臓が飛び出たかと思った。

1度跳ねた心臓は、待った無しにドキドキと加速していく。



「羽瑠の嫌な記憶、消せたらいいのに」


独り言とも言える言葉はどこか切なそうにも聞こえた。


ギュッとあたしを抱きしめる腕に力がこもって。

またドキッと心臓が飛び跳ねる。