悪魔と涙と甘い恋。


「こんな所で何してんの?」

「……」


この声……敦雅さんだ……。

わかったからって、1人になりたかったあたしは顔を上げなかった。



そしたらカチッと音がした。

たぶん、傘を閉じた音。


すぐ近くで音が聞こえたから、きっと敦雅さんはあたしの隣に座ったんだろう。



「つか珍しいな?羽瑠1人でこんな所にいるとか」

「……」

「神楽さんと喧嘩でもしたのか?いつも一緒に飯食ってなかったか?」


ギュッと自分の服を握りしめた。


「……今日は、朝ごはん作りながら……食べちゃったから……」


本当は違う。

神楽さんと会うのが気まずくて……睦美さんに無理言って台所で食べたの。


昨日から、頭の中は神楽さんのことばかり。


睦美さんを呼んだ後、あたしはもう良いからと、その場で自室に戻るように言われた。