悪魔と涙と甘い恋。


「羽瑠ちゃんもう手大丈夫なの?」

「うん、大丈夫。昨日から朝ごはん一緒に作ってるよ」

「そっか。だったら明日の朝楽しみだなぁ」

「残さず食べてね」

「まず寝坊しないようにしなきゃ」


互いに顔を見合わせて、ふふっと笑った。


いいな。

女の子の友達って。



「じゃあね。おやすみ」

「うん。おやすみ」


衣吹さんに背を向けて歩き出した瞬間だった。



ドサッと大きな音が近くで聞こえた。




「……え?」


何かが落ちるような音だった。


だけど、進行方向にはいつもと変わらない風景で。



振り返ると、視界に飛び込んできたものに、ヒュッと喉が潰れるような感覚に落ちた。



「い、衣吹……さん……?」


さっきまで話していたのに、目の前で衣吹さんが倒れていた。



「衣吹さん……?」


全然動かないし返事もない。