悪魔と涙と甘い恋。


急に大きな声を出す衣吹さんにびっくりして、肩が飛び跳ねた。



「ふにゃんって笑って、やっぱり可愛い〜〜」

「えっ……」


そう言われれば恥ずかしくなるのは当たり前で。

思わず顔を隠すと、衣吹さんに抱きしめられた。



「笑ってくれてありがとー!ウチに来てくれてありがとー!もうっ、羽瑠ちゃん大好きー!」

「……大袈裟だよ?」


ちょっぴり照れ臭くて身をよじると、笑ってる衣吹さんの目尻が濡れてるように見えた。


それが可笑しくて出た涙なのか、あたしに対しての涙なのかわからない。


だけど、あたしにもくるものがあって……。


ギュッと抱きしめ返したんだ。




「……」

「……」


抱き合って数分。


お互いに離れるタイミングを逃したあたし達は、気まずい雰囲気を漂わせていた。



「そ、そろそろ部屋に戻ろっか」


その雰囲気を裂いた衣吹さんにあたしは小さく頷く。