悪魔と涙と甘い恋。


俺もその情報を知ったときは驚いた。



何故死亡届が出されているのか。

何故そんなことをしたのか。




……答えは簡単。

───あいつは捨てられた。



「虐待……か」

「……そうですね。その方があの怯え方に説明がつきます」


人間を怖がり、恐怖する。



「もう一つの方はどうなった」

「すみません、まだ調査中です。取り急ぎお伝えしようと思ったので……」

「……そうか。もし衣吹の言ったことが本当なら、早いところ対処しねぇとウチの若い衆が何しでかすかわからん。頼んだぞ」

「重々承知の上です。では、失礼します」



一礼して、組長の部屋から出ようとした時だった。


「神楽。あの娘の様子も見ておいてくれ」

「わかりました」


もう一度頭を下げ、スッと襖を閉めた。