「最近一緒じゃないね」

「一緒?」

「あの幼馴染の子と」


一週間に平均二回。多い時は三回。

私は彼の部屋に訪れては、ずるずると曖昧な関係を築いていく。

白いシーツに包まるようにして、隣りで壁に体重を預けるようにして座る彼を見上げる。


「別にいつも一緒じゃないけど」

「そう?前は半々だったよ」

「半々?」

「朝。一緒にいる時といない時」

「よく見てんね」


そう言われて「まぁ」と言葉を濁す。

好きな人と、その好きな人に近い人なんて、嫌でも目に入るじゃないか。そう皮肉を込めて言ってやりたいけれど、小心者の私にその勇気はない。


「席が前だから目に入る」


おかしな言い訳を取り繕って嘘を重ねる。

無意識にシーツを口まで持ち上げていたのは、その嘘にどこか後ろめたさがあったからなのかもしれない。

そんな意味合いに気付かない男は「ふーん」と素っ気ない返事をするだけで、会話を広げていく気はさらさらないらしい。