彼女はホッと息をつき、言った。
「……私は、今まで自分が動かなくなっていたことにも気が付きませんでした。それをマスター、貴方が直してくださったのですね。ああ、私には今の貴方が頼もしく見えます……!」
彼女の困惑の表情が、ゆっくりと和らいでいく。
「マスター。私が強く願っていたのは、マスターが私に好意を伝えて下さることだけだったのです。そして、それを伝える言葉を先ほど頂きました。私を好きだと言っていただけるなんて……私は本当に幸せです!!」
彼女は満面の笑みに変わった。
もちろん今まで俺が一度も見ることがなかった、彼女の初めての笑顔。
どうやら彼女は自分が人間のためのアンドロイドだという認識が強く、俺から必要とされているかどうかが不安だったらしい。
しかし俺は照れのため、好意すら彼女に伝える事ができなかった。
おまけに、彼女とは主従関係では居たくないと伝えるときも、俺の言葉足らずのせいで彼女は『俺は自分の主人では居たくない』という意味だと思っていたのだ。
そのため彼女は自身を責め、せめて笑顔で接する事ができるよう修理出来る人間を探していた。
それが俺が見た、彼女の秘密の通話だった。
俺に不調を訴えれば自分は捨てられてしまうかもしれない。
彼女の中にそんな不安がある中で、俺は彼女に別れを切り出してしまったのだ。
「……私は、今まで自分が動かなくなっていたことにも気が付きませんでした。それをマスター、貴方が直してくださったのですね。ああ、私には今の貴方が頼もしく見えます……!」
彼女の困惑の表情が、ゆっくりと和らいでいく。
「マスター。私が強く願っていたのは、マスターが私に好意を伝えて下さることだけだったのです。そして、それを伝える言葉を先ほど頂きました。私を好きだと言っていただけるなんて……私は本当に幸せです!!」
彼女は満面の笑みに変わった。
もちろん今まで俺が一度も見ることがなかった、彼女の初めての笑顔。
どうやら彼女は自分が人間のためのアンドロイドだという認識が強く、俺から必要とされているかどうかが不安だったらしい。
しかし俺は照れのため、好意すら彼女に伝える事ができなかった。
おまけに、彼女とは主従関係では居たくないと伝えるときも、俺の言葉足らずのせいで彼女は『俺は自分の主人では居たくない』という意味だと思っていたのだ。
そのため彼女は自身を責め、せめて笑顔で接する事ができるよう修理出来る人間を探していた。
それが俺が見た、彼女の秘密の通話だった。
俺に不調を訴えれば自分は捨てられてしまうかもしれない。
彼女の中にそんな不安がある中で、俺は彼女に別れを切り出してしまったのだ。



