「今日も、あの時も、ちゃんと助けに来てくれた!」
再び開いた青い目が私を見る。
「ありがとう、嬉しかったよ」
そう言えば、今日初めて笑ってくれた青野くんにすごくホッとして。
「俺も、嬉しかった」
「なにが?」
「昔から、この目についてワーワー言われるのが嫌でさ。俺、クォーターで。しょうがないってわかっててもそれに耐えられなくて。だから前髪伸ばして目を隠してさ。そしたらそのせいで視力が悪くなってこれ幸いに眼鏡でも隠して。そしたら今度はそれについてワーワー言われて」
地味野と付けられたあだ名がそうなのだろう。
「けどそんなん無視して気にしないようにしたら、本当に気にならなくなって。そしたら見た目なんて関係なく話しかけてくれて、目の色だって」
ふと繋がれてた手が離される。
「それにすごい浮かれて。勢いで連絡先も交換して。一人先走ってた。頼ってほしいなんて言う前に、伝えなきゃいけないことがあったのにさ」
真っ直ぐな瞳が、深い海が。
私をしっかりと見つめていた。
「好きです。綾瀬さん」
はっきりと伝えられた言葉に、じわりと胸に広がるもの。
「私も、青野くんが好きです」
それは確かに恋だった。



