恋愛相談を受けた俺たちは、互いに鈍感と天然に頭を悩されるのである


 三木君は好きな人いるし、それが栞だと伝えてあげたいけど、こういうのは見守るのが一番なんだよね。

 お互いに相当すれ違いが起こってるみたいだけど。

「だから、夏樹から千田君に聞いてもらいたいの!」

「春一に?」

 栞が急に春一のことを持ち出すから、何事かと思ったけどそういうこと。

「要するに、三木君と友達同士の春一からそれとなく聞いて欲しいってこと?」

「うん!」

「それなら別に栞からでも良くない? 全く知らない仲って訳じゃないんだし」

 あれ、どうしてだろう。今少しだけ胸がチクっとした気がする。

「ううん、夏樹から千田君に聞いてもらいたいの。ほ、ほら! 二人って前から仲良しだし」

 確かに私と春一は中学からの友達だけど、春一から聞くなら別に私じゃなくても……。あっ、でも三木君との事も話さなきゃいけないから頼める人が限られるんだ。

「わかった。栞がそこまで言うなら」

「やった! ありがとう」

 こうして、栞から私への恋愛相談は終了する事となった。