包丁は柄の部分まで真っ赤に染まっていた。

興奮して赤くなった顔にもっともっと黒い赤色が広がっていた。

私は腕でその赤色を拭い取り一息ついた。


「ふぅ・・・終わった」


そう一言言い終わると園田に目を向けた。

園田は顔が分からないくらいぐちゃぐちゃになっていた。


「加音・・・・・・終わった・・・終わったよ・・・」


私はニッコリ笑った。

――・・・そして心に積もっていたものが溢れ出たような気がした。









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