数十分後。

コンビニで、冷えピタやミネラルウォーター、ゼリーなどを買って、外に出る。

流くんから返信来てるかな、とメールアプリを起動すると、数分前に返信が来ていた。


《地球上のどっかにあります》


えぇ……。

絶対お見舞いに来るって見透かされてる気がするよ……。


《お見舞い行きたいの!お願い!》


すぐに既読はついたものの、それから返信は返ってこず……。


流くんが風邪をひいて弱っている姿を想像したら、そんなのいてもたってもいられないくらいなのに。


それに、会いたいよ……。


そんな私の本音が行動に現れていたのか、勝手に指が動いて《会いたい》と、間違えて送ってしまった。


「えっ、あっ……!や、やばい!消さないと……!」


慌てて送信取り消しのボタンを押すけれど、すでにもう既読はついてしまっていて……。


ど、どうしよう!見られた……!


心の中で叫びながら、真っ赤な顔を手でパタパタと仰ぐ。

流くん、こんなこと急に言われて絶対困ってるし、引かれたよ……!!









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「あーくそ……会いてー……」



そう流くんが呟いていたことは、私は知らない。







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「わっ……た、高い……」


見上げているのは、これでもかというくらい高すぎるマンション。
いわゆる、タワマンというやつだ。


流くん、こんなところに住んでるんだ……。



あれから、どうしたら住所を教えてもらえるか、なんてもんもんと考えていたところ、偶然通りかかった流くんのお友達が、理由を聞いて教えてくれたのだ。



どうやら流くんの家は、学年の中でもこのお友達しか知らないらしく。



無理やり聞き出そうとして、あまり良くなかったな……と反省しながらも、足を運んできた。




おそるおそるマンションの入り口に足を踏み入れ、オートロックの前に立つ。

ここに番号を入力してっと……。

呼び出しボタンを押してしばりくすると、ガチャ……という音と共に、ホールの扉が自動で開く。



は、入ればいいんだよね……。

初めて入るタワマンにドキドキしながら、エレベーターに乗り込む。



流くんの住む場所って……確か50階……って、え!?最上階……!?


50階以上の数字はないか何度も確認するけど、やっぱり流くんのお部屋が最上階らしい。


ピンポーン、という機械的な音と共に、エレベーターが止まる。



そして、いかにも高級そうな照明と、大理石の床が目に飛び込んできた。




は、初めてタワーマンションの最上階に来ちゃったよ……!



ソワソワする気持ちを抑え、流くんの部屋のチャイムを押した。




ピーンポーン___その音が鳴った瞬間、部屋の中からすごい音が鳴った。まるで「ドンガラガッシャーン!」と効果音がつきそうなほどだ。

えっ、だ、大丈夫なのかな……!?

流くん、テーブルで頭打って怪我したりしてないかな……。



どうにもできずに扉の前でアワアワしていると、不意に部屋の扉が勢いよく開いた。