「ありがとう。

さっきのキスは、私の気持ち。

伝わったかな?

……圭吾」

いきなり名前呼び捨ては、ズルすぎないか。

「今日も送って行く。
それでいい?

可愛い夏南を離したくない」

そっと頷いた彼女に、俺はもう一度口づけた。

「もう冷えるし、行こうか。

これ以上は、俺が我慢できなくなる。

あんまり可愛いことしないでくれる?

ちゃんとこの間みたいに、家の玄関まで送るだけだよ。

送り狼にはならないから、安心して。

ちゃんと夏南の気持ちを……

そういうことしたい、って思うまで大事にしたい」

「もう!
ちょっと期待しちゃったけど。

泊まっていい時は、ちゃんと連絡するから。

……その時に、この続きしようね?」

それは、キスの先もそう遠くないうちに、ということなのか。

「早く暖かい季節になってほしいねー!

2人でゆっくりデートしたい。

いろいろ考えておくね、圭吾」

自然に繋がった手は、ほんの少し冷たかったが、繋いでいるうちに温かくなるだろう。

初雪の再会は、最高の彼女という贈り物をくれたのだった。