変わらないな、三上先生。

昔と変わらず、1人1人としっかり向き合って、きちんと誠実な答えを返してくれる彼女。

その姿勢は、俺が高校生だった頃と微塵も変わっていなかった。

俺が彼女に惹かれていったのも、彼女のそんな部分なのだ。

そして、俺もそんな教師になれればと、受験大学を変更した。

いつか、もう一度自分のキャリアを考え直すその時が来たならば。

三上先生と同じ教師という道も、悪くない。

ずっと俺の心の中にあった靄は、すっかり晴れていた。

……今日は彼女に告白をするために、ちょっと良いホテルディナーまで予約したのだ。

このまま帰宅したら、絶対に秋山や帳、美川たちの酒の肴にされそうで、かなり怖い。

レストランからの帰り道、三上先生の方から、少し休んでいこうと誘われた。

これは、もしかしなくても脈アリか。

ただ、告白の台詞を三上先生から言われるのは避けたいところだ。

決めるべきところは、きっちり男が決めなくては。

到着したのは、東京名物の赤い塔が見える公園。

ロケーション的には最高だ。