翌日。

仕事終わりに、ちょっと格式のあるレストランで、俺は三上先生と向かい合っていた。

俺はスーツ。

三上先生は、とアイスブルーのレースワンピースに、グレーのカーディガンを羽織っていた。

後数時間後には恋仲になる予定の人なのだ。

白い肌を他の野郎の目に触れさせてなるものか。

「ここ数日、いろいろありがとうね、桜木くん。

私がもう少し稼いでいれば、帳さんたちレジェンドの皆を囲んで、パーティーでも出来たのに。

ちょっと残念だわ。

とにかく、無事にいつもの日常に戻れたことに乾杯しましょうか」

スパークリングワインの入ったグラスをカチン、と小さく鳴らした。

風紀委員の顧問だったという例の教師。

教育委員会で査問された結果、教員免許は剥奪され、公務員ではなくなったという。

全てが解決した後、おまけがあった。

それを、嬉しそうに、彼女が俺に話してくれた。

帳は、まるで芸能人のようにあっという間に在校生に囲まれてしまった。

在校生らのリクエストに答え、ピアノをひたすら弾く羽目になったという。

それ以来、生徒たちは何か思うところがあったのだろうか。

日直等にも、以前より積極的に取り組むようになったという。