「まぁ、どのみち貴方は教師を続けられないわね。

電車内で痴漢をしたり、女性客や年配客にいちゃもんつけたり。

鉄道職員の間で要注意人物としてマークされてるらしいじゃない。

先月、私に思い切り踵落とし喰らったの、記憶にないのかしらね。

それにしても、怒って職員室に帰ったっきり授業をしないなんてね。

生徒たちの学ぶ権利を剥奪している時点で、教師失格だと思うけど。

ちなみに、私たちレジェンドと理事長は顔見知りよ。

この意味、分かるわよね?」

「うるせぇな、さっきからしゃしゃり出てきやがって!

お前には関係ねぇー!」

男性教師の蹴りを膝で止め、相手が予想外の事態に一瞬怯んだ隙に、強烈な金的を喰らわせたのだった。

俺は、決定的なその瞬間を見逃していた。

三上先生の肩をそっと引き寄せて、明日の夜は空いているかと話していたためだ。

「相変わらず容赦しねぇのな、琥珀」

優弥のその台詞と、未だに悶絶している教師を見やると、相当効いたのだろう、ということは分かった。