リモート飲み会から2日が経った日。

何とか有給はもぎ取った。

正瞭賢の昇降口も、そびえ立つ校門も、変わってない。

変わったのは、昇降口から教室に行くフロアに、掲げられている集合写真だ。

そこには、俺や帳、秋山や宝月らが写っていた。

そして、その横には、帳や秋山が学園に在籍している間の功績が新聞の形で纏められていた。

よくこんなの作ったな。

ある意味、今の生徒達が可哀想じゃないのか?

そう思った矢先、帳と優弥が同時に頷いた。

「目的、忘れてないよね?
桜木くん。

行こ!

多分、あの場所にいるわ。

知らないと思ったでしょうけどね、お生憎様。

昔、深月が閉じ込められてるのを助けた古い体育倉庫でもあるのよ。

……体育館横の、古い倉庫。

そこに、例の教師がいた。

誰かと向かい合っている2人の人影が見えた。


そのうちの片方は、俺がここ数日、顔を見たくてたまらない人だった。

ネイビーのタートルネックニットに、ツイードのフレアスカート。

いつの間に開けたのか、よく見ると華奢なピアスが揺れている。

帳と優弥の静止も、耳に入らなかった。

教師失格の男の手が三上先生の胸元に伸びる寸前で、俺はヤツの手を掴んだ。