「その話なら私も風の噂で。

そういう噂の類は、よく入ってくるのよ、私立高校の教師やってるとね。

その先生、担任教師にまでキレてたらしいよ。

教員免許、よく取れたわよね。

いっそのこと、問題行動起こしてくれれば免許剥奪出来るのに。

愛しの三上先生のピンチなら、有給くらい取れるわよね。

明後日、私と優弥と桜木くんで、乗り込んじゃう?
正瞭賢高等学園。

私たちの母校に。

ちょっと生徒の腑抜け具合も気になるしね。
レジェンドの偉大さ、ちょっと見せてやろうじゃないの」

もちろん、行くよね?
好きな女性を守らない男とか、一生結婚出来ないよ。

今が一世一代のチャンスかもしれないよ。

三上先生、私達が高校生の時からいろんな男子生徒がタイプだ、って言ってたし。

ボヤボヤしてると、他の人に取られちゃうよ?」

「そうですよ。

いい加減、姉貴を幸せにしてやって下さいませんか。

姉貴が結婚したら、プランナーは俺やる、っていうのが約束なんですよ」

帳の謎の迫力と、先生の弟に頭を下げられてしまっては、引き受けるしかない。

俺は縦に強く首を振ったのだった。