三上先生と再会してから、もう1週間が経ってしまっていた。

あれから、彼女から1度連絡が来たきりだった。

あの日、わざわざ家まで送ってくれたお礼が、可愛いキャラクターのスタンプと共に来たのには、少し驚いたけれど。

彼女はキャラものとか、好まないと思っていたのに。

「それで?
あっさり自分の気持ちに蓋をするわけだ。

せっかく教員免許は持ってるのに、勿体ないよ。

正瞭賢行くことになったら、三上先生と同じ職場になるもんねぇ。

それは避けたかったんだろうけど。

無理矢理スピーチ役にでも抜擢して、私たちか、麗眞(れいま)くんか椎菜(しいな)の挙式に参列させれば良かったかな。

麗眞くんと椎菜は正瞭賢の名物カップルだったしね。
目を離すと常にイチャイチャしてたし」

まぁ、今更タラレバを並べても過去は変えられねぇよ。

それにしても。

当の本人が、何でウジウジ悩んでるんだよ。

お前ら、両片想いみたいなもんだろ。

そういうのに疎い理名ちゃん以外は全員気付いてたぜ。

バレバレなんだよ。

世界史の授業があった日は放課後に職員室訪ねたりしてたよな、圭吾」

妻の深月の考えを、しっかりと受け止めた上で自分の意見を的確に伝えている道明。

こんな感じの関係になれたら、お互いに背伸びすることなく、自然体で時を積み重ねていけるのだろう。