それから教室には別々に行った。
正門までだと約束したから。それから始業式を受けて、放課後になった。それまでは咲良話してなかった。どうしても話かけられなかった。
咲良の周りには朱音や香織がいた。
友達がいてよかった。
もし、1人だったらどうしようと心配した。だけど、せっかく仲良くなって友達にもなったのにこのまま話せないのは嫌だと思った。
『咲良ちゃん、一緒に帰ろうよ。』
そう思うと言葉が先に出ていた。
自分でも驚いた。何も言ってるんだろうか。これでやっと、話せた。朝の時以外話してなかったから話せるだけで嬉しかった。本当はもっと話したい。だけど、勇気がなくって声をかけれなかった。
『佐倉くん、ごめん。今日は朱音と香織と一緒に帰る約束してて。だから、一緒に帰れない。ほんとごめんね。』
『そっか。一緒に帰りたかったけど友達と帰るなら仕方ないよね。全然、大丈夫。いつかまた、一緒に帰ろうね。じゃあね、咲良ちゃん。また明日、学校で。』
『うん、じゃあね。また、明日。』
勇気をだして話しかけたが今日は無理だった。
また、誘おう。
てか、今日みたいに電車に乗れば朝だけでも話せるかもしれない。小学生ぶりにあったが咲良は全然変わっていなかった。そして、俺の気持ちも変わっていなかった。


