ゆうきくん。

それは私の初恋でもあり、朱音の好きな人。

『え、ゆうきくんって苗字佐倉っていうんだ。全然、忘れてた。』『咲良と佐倉で同じじゃんってよく話してたやん。まぁ、忘れてても仕方ないか。』

『そうだったけ?全然、覚えてなかった。朱音はよくおぼえてるね。』

『そりゃ、覚えてるよ。だって初恋だったから。ゆうき、以外と1番かっこよかったし。好きですって伝えたけど、俺には好きな人がいるって言われてふられたけどね。あの時は咲良にはいえなかった。告白したこと。だって咲良、ずっとゆうきのこと好きだったしね。私は気づいてたよ。あんなふうに恥ずかしそうでちょっと怒ってるような咲良の顔みたらすぐにわかった。小さい時からずっと一緒にいるんだから。』

やっぱり、朱音は気づいてたんだ。

ばれてないと思っていた。でも、朱音にはバレるよね。

『気づいてたんだ。朱音。朱音が好きだって言ったからあの時、言えなかった。喧嘩したくなかったし。』

私はあの時思っていた言葉をやっと伝えることが出来た。

『そっか。だよね、でも安心して今は違う人が好きだから。ゆうきのこと好きだったら好きって言ってね。応援するから。 』

『ありがとう、朱音。』

『それにしても、香織はなんで優希のこと知ってるの? 』朱音は香織に問いかけた。

『私と優希は、仕事が一緒なの。2人には伝え出なかったけど、私モデルの仕事をしてるの。そんときに一緒になった。』

香織はモデルの仕事をしていることを私達に教えてくれた。

『私と優希は、中学の時まで仲が良くっていつも一緒に居たんだけど。中学の時、私と優希がモデルの仕事をしていることがクラス生徒にバレたの。それから、クラスの子に色々言われるようになって。優希は女の子からすごくモテモテだったけど、私はクラスの女の子に虐められた。嫌だったんだろうね、優希と一緒にいることが。それから私は、モデルをしていることを隠してるんだ。だから、優希とも話さないようにした。でも2人にはちゃんと話さなきゃって思ったから。ごめんね、こんな形で。』

香織は勇気をだして私達に伝えてくれた。

嬉しかった。私は香織に伝えていないことがまだあった。だけど、これは朱音にも言ってないから絶対に言えない。

『香織。話してくれてありがとう。』

『香織、モデルの仕事してるなんて知らなかった。早く教えてくれても良かったのに。でも話してくれてよかった。朱音はすごく嬉しい。 』それから私達は香織の話を聞いた。

どんなモデルをしているのか、テレビや雑誌に出るのか。

嬉しかった。友達の話をたくさん聞けることが。私達はお互いに自分のことを語り合いながら、帰り道をゆっくりと歩いていた。朱音と私は電車で香織は自転車だった。