それから、授業をして遂に放課後がやってきた。


佐倉くんのことを2人に話さないといけない。


そう思いながら、私は2人に一緒に帰ろうと声をかけようとした時に佐倉くんに声をかけられた。


『咲良ちゃん、一緒に帰ろうよ。』


このタイミングで話しかけられるなんて本当に運の悪い。


まだ、2人には話してないのに。


佐倉くんに声をかけられた瞬間、朱音と香織は私の方を見ていた。私はとまどった。なんでこんな時に話しかけてくるの。


『佐倉くん、ごめん。今日は朱音と香織と一緒に帰る約束してて。だから、一緒に帰れない。ほんとごめんね。』


『そっか。一緒に帰りたかったけど友達と帰るなら仕方ないよね。全然、大丈夫。いつかまた、一緒に帰ろうね。じゃあね、咲良ちゃん。また明日、学校で。』


『うん、じゃあね。また、明日。』


私はちゃんと相手に伝えた。


いつもなら、自分の気持ちや考えている事を伝えることが出来なかったけど。今の私は少しずつ変わってきているのかもしれない。


そんなことを考えていると後ろからものすごい視線を感じた。


『咲良、あの子誰?朱音は何も知らないんだけど。』


『私も何も知らなかった。』


2人は残念そうな顔をしていた。


『ごめん。今から話そうと思って。』


私は今から伝えようとしたことを話した。


それから私達は、帰り道を一緒に帰った。