佐倉優希くん。


 佐倉くんは、人気者だった。


休みの日はモデルというお仕事をしている。たまに学校の日に仕事が入り、休んでいることもある。


雑誌やテレビによく取り上げられている。それに頭も良くって顔も性格も何もかも素晴らしい人だ。部活ではサッカーをしてて、実力のレベルが違った。誰から聞いても全て完璧だった。


教室の中では1番目立つ存在だった。


だから自分が仲良くなれるなんて思ってもなかった。


『はぁはぁ、咲良。おはよう。』


勢いよく教室に入ってきたのは朱音だった。


『朱音、おはよう。てか息切らしてるけど大丈夫?』


『大丈夫。咲良こそ朝、約束してたのにごめんね。まさか、遅刻するわけないと思わなかった。』


『そっか。でも、学校に間に合って良かったよ。早く新しい教室に行きなよ。』


『咲良。私の教室はここだよ。私達は同じクラスなんだよ。しかも、香織も。』


『え、やったー。嬉しい。朱音と香織と一緒だなんて。また仲良くしてね。』


『もちろん。よろしくね、咲良。』


私達は高校に入って違うクラスだったけど、2年生になってまた同じクラスになった。


しかも香織とも一緒だなんて。