二人には子供がいて当時高校二年生だった律君と当時大学三年生だった稔(みのる)君とは仲が良かった。
律君の事は“りっ君”、稔君の事は“みっ君”と呼び、本当の兄妹のように過ごしていた。
そのりっ君が目の前にいるイケメンの男の人だなんてビックリした。


「……りっ君…?」


律「ははっ、久しぶりだな…その呼ばれ方」


りっ君は嬉しそうに微笑んだ。


叔母「はいはい、感動の再会は後にしてよね。それより、そいつ引き取りたいならそいつが成人するまでの養育費さっさと出しなさいよ。」


不機嫌そうな顔をする叔母さんにりっ君はため息をつくと持っていた紙袋を渡した。


叔母「……へぇ、結構入ってんじゃない!!こんな“不良品”を手放すだけでこの額…!ちょうど良かったわ、姉さん達が遺してた金もなくなって困ってたのよねー」


叔母さんは目をキラキラさせながら喜んでいた。


律「……その代わり、二度と俺や莉央ちゃんに関わらないと約束して下さい」


叔母「頼まれても関わらないつーの!!さっさと出ていって!!役所とかの手続きはもう済んでるしもう用済みよ、シッシッ」


まさか勝手に話が進んでしかも手続きもしてるなんて思わなかった。それよりも……


(分かってた事だけど、この人達にとって私は余所者で…引き取ったのだてってお金が目当て。お金が貰えるなら簡単に手放す……最悪だな…)


泣きそうになっているとりっ君が私の肩に手を置いた。