病院に着くと二階にある呼吸器内科の診察室に運ばれた。
運良く他の患者さんがいなくてすんなり診てもらえるみたいだ。


看護師「鷹邑先生、柚木先生が整形の小鳥遊(たかなし)先生と一緒にすぐおりてくるそうです」


後ろから看護師さんが来てそう言った。


律「ああ、ありがとう。篠宮(しのみや)さん、悪いけどビーフリードとネオフィリンの用意よろしく!あと…」


(やばっ、苦しくなって…き、たッ)


「ハァッハァッハァッ、ゲホッゴホッゴホッ、ゼェゼェ…ヒューッ…」


喘息の息苦しさで意識が朦朧としてきた。


律「莉央ちゃん!?ゆっくり呼吸して?ちょっとごめんね?」


指に何かを挟まれた感触がする。


「ゼェゼェヒューッヒュッ、ゲホッゴホッゴホッ、ハァッハァッ」


ゆっくり呼吸しようとするけど無理で、どんどん酷くなっていく。


律「酸素がやばいなッ、篠宮さんッ急いで酸素の準備を…!!」


(ご、め…んッ……りっ、く…ん……)


りっ君の焦ったような声を聞きながら私は意識を手放した。













ピッピッピッピッピッ


「………んッ、うッん……?」


規則正しい機械の音が聞こえてくる。
ゆっくり目を開けると白い天井が見えた。
口には酸素マスク、点滴が三つに身体には心電図が繋がれている。
酸素マスクのお陰か息苦しさはなくなっていたけどまだ身体が怠くて動けなかった。


シャッ


律「!!莉央ちゃんッ、良かった…!!いきなり意識飛ばして3日も眠ってたからすげー心配した」


カーテンが開いて誰かなって思ってたらりっ君だった。


「ご、ごめん…なさい……」


りっ君にいきなり心配かけて申し訳なかった。


律「別に謝らなくて大丈夫だよ。とりあえず聴診させてね?あと酸素もちょっと診るね」


動けないし、そもそも身体の傷をもうたくさん見られただろうから拒否反応はなく、されるがままにした。


律「………んー、まだちょっと音悪いし酸素も低いから今日一日はこのまま絶対安静にね?明日、朝一で採血して…胸のレントゲンと肺機能の検査して様子見ような?」


コクン


「じゃあまた昼ぐらいに来るから、今はゆっくりお休み」


優しく頭をポンポンされてる内にまたいつの間にか眠ってしまった。