すぐ服の中に聴診器が入ってきた。


ビクッ


聴診器がちょっと冷たくてビックリした。


律「ごめんね?すぐ終わるから…大きく息をすってー、はいてー」


「スーーーッ、ケホッケホッゴホッ、ハァーーーッ、ゴホッゴホッゴホッ」


咳が出てきてだんだん酷くなっていく。


律「……んー、ちょっと音悪いな…喘鳴も聞こえるし。莉央ちゃん、悪いんだけど今から病院行って詳しく検査して治療したいんだけど、いいかな?」


「ハァッハァッ…け、検査…?」


律「うん。風邪の症状以外にも喘息の症状が悪そうだし…怪我も診てもらった方がいいし…どうかな?」


「……うん」


病院なんて10年ぶりでちょっと怖いけどりっ君が一緒みたいだし、なによりしんどいのが辛くて私は頷くことしか出来なかった。


「よし、じゃあ急ごう」


りっ君はクローゼットから綺麗な毛布を出すと私の身体に掛けてくれた。
それからポケットからスマホを出して誰かに電話を掛けた。


律「……あ、もしもし?悪い、今大丈夫か?………ああ、もう家にいる。けど、かなり具合悪そうで…風邪の症状と喘息も悪そうで……風邪と喘息は俺らで診れっけど、怪我が酷くて…整形の先生に頼んどいてくれないか?………ああ、すぐ行く。じゃ」


電話を切るとりっ君は私を姫抱きにし、外に出た。
1階までおりて車に乗せられてそのまま病院に向かった。