病弱少女の夢

「莉央ちゃんごめん、勝手に話進めて……いきなりだけど僕と一緒に暮らさないかな?キミを助けたいんだ…!!僕と一緒が嫌なら父さん達の所でもいい。キミはまだ未成年だから保護者がいる。勝手な事ばかり言ってるとは思うけど…考えて欲しい」


今の精一杯の気持ちを伝えた。


「わ、私…身体弱くて…喘息もあるし、いっぱいいっぱい迷惑かけちゃう…」


莉央ちゃんはおそらくお金の心配をしているんだと思う。


「迷惑だなんて思ってない。お金なら大丈夫!10年前はまだ高校生でたいしたお金稼げなかったけど今の僕は医者になっていっぱい稼いでるし、莉央ちゃんの事を医者としても助けてあげられる。

父さん達も莉央ちゃんを引き取りたい早く会いたいって言ってるんだ。莉央ちゃん、これは僕や父さん達からのお願いなんだ。

ぜひ、僕らと“家族”になってくれないかな…?」


「ふっ、うっ……!!」


俺の言葉を聞いて莉央ちゃんは泣き出してしまった。


「あり、がとッ……りっ君!!よ、よろしく…お願いッ、します…!!」


すぐ抱き締めてあげたかったけど、莉央ちゃんにとって辛いこの場所から早く開放してあげたかったから踏み止まった。


「うん、よろしくね。それじゃあ行こうか」


俺はそっと手を差し出した。
すると莉央ちゃんは少し何かを考えた後、坂藤さん達の方を見た。


「……な、長い間、お世話にッ、なりましたッ!!」


(!!……莉央ちゃん…)


深く頭を下げる莉央ちゃんに驚いた。


坂藤「ふん、心にも無い事を言ってないでさっさと消えな!!目障りなんだよ…!」


「………は、いッ……ありがとう、ございましたッ!!」


酷い言葉を言われても莉央ちゃんは気にせずお礼を言った。
俺はそっと優しく莉央ちゃんの手を引きながらリビングを後にした。