(空視点)
なんで僕には楽しいことがないんだろう。
小さい頃は楽しくないなんて考えたことなんてなかった。兄さんと一緒に遊べていたし、自分のしたいことや言いたいことをはっきり言えていたからだ。少し辛いことが増えてきたときも自分の思い込みだと言い聞かせて無理やりの笑顔を作っていた。
...無理やりの笑顔を作っているのは今も同じか。あの頃は楽しくないのも僕が気まぐれなのが悪いって信じ込んでいたなぁ、全然そんなんじゃないのに。楽しくないのは確かに僕のせいだけれど気まぐれとかは関係ないんだ、僕が存在しなければよかっただけなんだ。
しかも、大好きな兄さんが僕のせいで苦しんでいるって知ったときは凄く悲しかったな。僕なんて存在していても大切な人を不幸にするだけだから自殺しようと考えたこともあった。でも母さんを裏切るようなことなんて絶対にできない。
なんで僕なんかいるんだろう、生まれてきたくても生まれてこれなかった子に譲ってあげたいってそう思った。まあそんなこと本人たちが一番願っていることだろうし、余計なお世話か。
なんか、今日は一段と疲れたな。夜ご飯も食べたしお風呂も入ったし今日はもう寝よう。
と言いたいところだが僕は最近あまり寝られていない。夜どうしても寝付けないのだ。寝れたとしてもすぐ目覚めてしまうし夜中起きてしまって二度寝できなくなるのだ。このような症状を持つ病気を「不眠症」というらしい、症状が全て僕に当てはまっていて自分は典型例で他にもこの不眠症で苦しんでいる仲間がいるんだなと少し安心したことを覚えている。
不眠症の主な原因はストレスによるものらしい、ストレスの原因なんて母さんと兄さんくらいしか思いつかないがどうしてもそれを認めたくない。
だって自分の憧れの存在のせいで一時的なものだろうと病気?に罹るなんて誰だって嫌だろう。前まで寝るのは嫌いだった、自分が願ったわけでも望んだわけでもないのにだいたい夢を見てでも起きたらそれを忘れているのだ、気持ち悪いことこの上ない。嫌いなことをしなくて良くなったのにこんなに身体的にも精神的にもダメージがあるとは思わなかった。今更だけれども睡眠って生物にとって本当に大切なことだったんだな、不眠症が治ったらいっぱい寝るようにしよう。
こんな思考意味がないし、埒が明かない。寒いからベッドにはいって布団を被ってから考えることにしようかな。
やっぱりベッドは温かいなぁ、呑気に考えていたら隣の部屋からドンッッッ!と大きな音がした。隣の部屋は兄さんの部屋だ。何かあったのだろうか?倒れたりしていないかな?でも、もし平気だったら勝手に入ってくるなってきっと言われるな...どうするのが正解なのかな?とりあえず少し様子を見てみようかな?と思ったら「痛っ⁉」と聞こえてきた。ベッドから落ちただけなのかな?良かったぁ、兄さんになにかあったらどうしようかと...
そういえば兄さんが僕を無視とかし始めたのはいつ頃からだっけ?母さんのことであるのはわかるけれど細かな理由は知らなかったな、どうしてなんだろう。僕はこんなに兄さんに事大切に思っているのになんで嫌われてしまったんだろう。
...いや、そんなことを知ったところでもう嫌われたことには変わりない。悲しくなるだけだから考えるのをやめよう。だけどもし、兄さんとまた昔みたいに話せるときがきたなら、たとえ一日だけでもきたのなら聞いてみたいな。
夜はこれから長い、何回過ごしてもなれることができないくらい長い。孤独で、暗くて、静かで、何をすることも許されないそんな時間な気がする。
だって大きな音を出したら怒られるし、イヤホンなんて持っていないからなにか動画を見ることもできない。音声なしだと面白さ半減だ。そもそもスマホやタブレット、テレビなどの光が出るものはあまり好きではない。面白いとは思うのだが見ているとすぐ目が痛くなってきてしまうから嫌なのだ。
音が出なくて、目も痛くならなくて長い時間していても飽きない暇つぶしになるもの、と考えて行き着いた先が小説と漫画だ。小説も漫画も何回も繰り返し同じものを呼んでいたら流石に飽きてしまうけれど続けてではなければ全然何度もリピートできるし一冊600円くら