(海目線)
...ピ...ピピ......ピピ...ピ......ピピピピピピ
...朝が来た、憂鬱な朝が。
憂鬱なのは朝ではなく朝から始まる一日なのだがそんなこと考えるのも面倒くさい。
あぁ、また「今日」が始まるのか。ただただ笑って、自分を隠して笑って、比べられて笑って、笑って笑って笑って笑って...正直もう疲れた。やめてしまいたい、そう思うことばかりだけど何も意味のないまま生まれてそのまま死んでゆくなんて絶対にごめんだ。俺は何も悪くないのに自分だけが苦しむなんて絶対嫌だ。
こうして笑っていることが母に...そして空に対しての一番の反撃になると思うから。
母に愛されていて、空とも仲良くできていた頃が懐かしいな。母に対して素を出さなくなったのは確か母が空と俺を比べるようになって俺を愛してくれなくなった頃からだった。けど、アイツと話さなくなったのはいつ頃からだったっけ。そもそもどうしてだっけ。

あぁそうだ、俺から離れたんだった。

こんなこと考えていても気分が悪いだけだ。やめて、明るいことを考えよう。
嫌だ、そんな風に無理やり思考を変えようとすると余計に考えてしまう。でも少しでも考えていたくないし、何か他のことをするしかないか、何をしよう。部屋で音を出さずにできることというと結構限られてくるので昔はギリギリまで寝るようにしていたけれど寝すぎると何故か頭が痛くなってくるので6時間以上寝られない。だから自分の好きなことから発展して考えた。そしたら辿り着いた先が「音楽」だった。
ヘッドフォンをすれば音漏れもないし音質の問題もないに等しい。
そして何より元々音楽を聞くのは好きだったけど、一時期ハマっていた歌を聞き返してリズムや歌詞好きだった部分を思い出したり、高い曲をアレンジして音程を変えて歌ってみたり...
いつの間にか暇つぶしでしかなかったはずの「音楽」はキラキラしていてとても大切な希望になっていた。
歌うのも、聞くのも楽しいから俺は本当に純粋な気持ちで音楽が大好きだ。聞くのだけでも十分に俺の希望になってくれているがもっともっと支えてくれている光は、「夢」だ。
沢山の歌手の歌を聞いていて、俺自身も生きてたいと思えたし一人ひとりのコメントに「感動しました、泣ける、嫌なことが吹き飛んだ!」みたいな物を見つけると俺も歌で誰かに希望を与えたい、歌で生きる希望になりたい。そう願うようになっていた。
夢は正直好きではなかった。頑張って頑張って頑張って目指しても叶わなかったり、叶ってからも努力ばかりで。
でも、実際は違った。夢だから、大好きだから、自分から願ったものだから何度壊されたって諦めなきゃいけない状況になったって目指さずにはいられない。そういうものなんだって知った。
いつか叶わないんだって失望して、目指すものがなくなってしまうのは怖いなぁ。そんなのは未来のことだし考える必要もないのだけれど。
今日は何を聞こうか。新しい歌を探そうか?昔の歌を掘り返してみようか?それかチャレンジで自分で歌を作ってみようか?
決めた、今日は新しいいい歌を探してみよう。どんな系統の曲を探そうか、今日の気分はしっとりだから段々明るくなっていく感動ソングでも探してみようかな。
時間は2時間だ、いい曲が見つかると良いな。