「あの、すみません」
その声に我に返った。声の主は私の後ろにいて。慌ててエマの元へ近付いた。
ブレザーの裾を引っ張るけれど、エマは目の前の人たちを見据えていてビクともしない。
「あ、はい……?」
「ちょっとここじゃアレなんで外いいですか」
「え、なんですか?」
「 “なんで” じゃなくて。――じゃ、いいわ。今メイのこと言ってましたよね?あなた達前の学校の人ですよね?」
そう詰めかけるエマに彼女らは互いに目くばわせしている。
「聞いてりゃコソコソと。すごく胸糞悪いんですけど」
これまたすごい口調だ。
なんて感心してる場合じゃないけれど、そんな彼女をかっこいいと思ってしまった。
私じゃそんな風に言えないから。
「エマっ、いいから。もう行こっ」
そう促すけれど首を振られてしまった。
「化粧の何がいけないんですか?あなた達もしてますよね?中学生なのに!」
「でもメイとは違うもん」
「違くない。 “中学生” なのに化粧してる。メイとなんも変わらないけど?」
「でも!そんなケバく、」
「あんたらメイが化粧する意味知らんでしょ!?」
言ってみろ、と挑発的な目付きに私まで強ばる。
少し周りを気にしてみると視線が集中していた。エマの怒り声で注目されてしまったのだと瞬時に感じた。
目の前の3人もそう思ったのか、もごもごとさせながらお店の外へ。私たちもその後を追った。



