「――でさ~、このシーンがヤバくっって!」
「あー、エマさん、ちょいといいですかい?」
「へい、なんでござんしょメイどろん」
「……行きたいってとこ着いたんだけど」
てか “どろん” てなんなん。
おかしな響きを胸に抱きながら、私を置いて1人で駆けていく彼女の背中を追った。
エマが行きたいと言った場所は中学から30分にあるショッピングモール。先週OPENしたばかりだから平日でもこの放課後タイムは賑やかだ。
そういえばなんでここに来たいって言ったのだろう。
しかも、私を連れて。
私じゃなくてもエマには友達がたくさんいるのに。なのになんで私なんかと……。
唐突な疑心暗鬼は一体いつになったら無くなるのだろう。
誰かの言葉で自分を塞ぎたくないのに。なのに、躊躇ってしまうのは前の学校でのトラウマがあるからだ。
『中学生なのに』
『もっとまともになりなよ』
『変なの』
『可愛こぶりたいんだよ』
気を抜くとそんな言葉が嫌でも思い出す。自分らしくしたいだけなのに。
先を進むエマを見失わないよう注意を配りながら、一つ息をこぼした。



